AC55 – 次世代の耳掛けヘッドホン

まさか耳掛けがこの時代に新登場するとは思わず、懐かしさもありつい予約注文してしまいました。
正直、耳掛けといえばKSC75などは聴いたことがありましたが、耳掛けという原理上側圧が保てず音が逃げてしまいますので、音質的にはあまり期待できなかったのですが、いい意味でAC55には裏切られました。
全体としては聴き心地を重視したユーフォニックな鳴りだと思います。
その中で注目すべきは中音域で、明瞭な鳴りとステージの広さがあります。特有のキック感はポップスやロックなどと相性が良く、ドラムなどもとても歯切れ良くしっかりとした輪郭が出ていて聴くのが楽しいです。
低音も特徴的で、量感というよりはまとまりの良さがあり、低音域の解像度といったものを聴き取ることが出来ます。
ただ高音域については、どうしても装着具合に影響されるところがあり、耳から離れてしまうと線が細くなったような鳴りになってしまったりするので、ここは耳掛け特有の課題ですね。ベストな装着状態では高音は強すぎず、わりとバランスの取れた明瞭度ですね。たまにさ行が刺さりそうな感じがしますが、いい塩梅のところで上手に制御されていると思います。
また音場についてもAC55特有のものがあり、耳掛けにしては異常なほど広がります。大型のオーバーヘッドホンほどではないにせよ、それらを思わせるほどのポテンシャルがあります。ただし、原曲の音場に忠実かというとまた違うような感じで、AC55なりに気持ちのいい広がり方を解釈しているイメージです。
総評としまして、AC55は今どき珍しい本気の耳掛けヘッドホンということで、価格に見合った明瞭かつ聴き心地の良い中低音を広いサウンドステージで鳴らしてくれる楽しさがあります。
ただモニター的な聴き方が合うかというとそうでもなく、どちらかというとユーフォニックな鳴りなので、この点は人を選ぶと思いました。

<追記>
やっぱり40mmドライバー搭載ということで、耳掛けにしては重たい点もあり長時間装着していると耳の付け根が痛くなってしまいます。
私はメガネの耳当てシリコンを活用して痛みが軽減しました。ご参考まで~

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